肩の痛みの原因は複雑

2020/11/23 ブログ
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よく肩の痛みを訴える患者さんから、何でこんなに痛くなるのか聞かれました。

 

繰り返す肩の痛みは本当にウンザリしますよね。

 

先ず知っておいてほしいのは、一口に肩の痛みと言っても痛い場所は違う人が多いという事です。

ここでは肩関節を大雑把に分けて4つに分類しておきます。

 

1つ目はいわゆる肩関節です。厳密には肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)と言いますが、肩甲骨と上腕骨(じょうわんこつ)で形成する関節です。

肩甲骨は、受け皿のようなわずかに凹んだお皿状の形状をしていて、上腕骨は球状をしています。

この肩甲上腕関節は人体のすべての関節の中で最も多方向に幅広く動きます。

この肩関節の中と外を隔てているものとして、大きく2つあります。

1つが関節包(かんせつほう)という薄めの膜(まく)であり、もう一つが腱板(けんばん)という筋肉の先端のスジの合流部です。

この関節包と腱板が肩の痛みの大きなカギを握っています。

ここの痛みの原因は多岐に渡りますが、関節包が炎症を起こして、分厚くなっていくと四十肩や五十肩、凍結肩という病名がつきます。

腱板が炎症すれば腱板炎、腱板が損傷すれば腱板損傷、腱板断裂と呼ぶわけです。

さらに腱板に石灰・カルシウムが沈着すれば石灰性腱炎ということになります。

肩の前側の痛みの原因になりやすいのは上腕二頭筋長頭腱炎というものです。上腕二頭筋は力こぶの筋肉ですが、そのうち、長頭と呼ばれるスジが関節の中に入り込むようになっていて、そこでの炎症が起こりやすいと考えられています。

また、肩甲上腕関節は幅広く動く関節ゆえ、不安定になりやすいという弱点があるため、脱臼と言えば、肩関節が圧倒的に多いわけです。
その肩関節脱臼が痛みの原因になることもあれば、脱臼まで至らなくても、不安定な状態で肩を使っているがための痛みというものもあります。

2つ目は肩鎖関節は肩甲骨の屋根に当たる部分である肩峰(けんぽう)と鎖骨の先端である鎖骨遠位端からなる関節です。

 

肩甲上腕関節が最も幅広く動く関節であるのに対して、肩鎖関節は動きは小さめです。ただ、肩が動くときに多くの人が考えている以上に肩甲骨自体が動いており、その支点の1つが肩鎖関節です。

この場所での痛みは、肩鎖関節に炎症が起こっている肩鎖関節炎、軟骨がすり減っている変形性肩鎖関節症、外傷性に脱臼してしまった肩鎖関節脱臼、鎖骨の先端が骨折してしまった鎖骨遠位端骨折などがあります。

この肩鎖関節の痛みは肩の水平内転と言って、腕を胸の前を通して逆側の肩の後を触れるような動きで痛みが出ることが多いです。水平内転では肩鎖関節の圧力が高まると考えています。

3つ目は厳密には関節ではありませんが、肩甲骨の屋根にあたる肩峰の下には滑液包(かつえきほう)と呼ばれるスペースがあり、肩峰下滑液包と呼ばれています。その下には腱板が走っていて、腱板損傷や腱板に負担がかかっているようなときは、この肩峰下滑液包の炎症が痛みの原因であることは少なくありません。肩の注射というと、まずこの部位に注射することが多いです。

4つ目は肩甲骨と頸椎の間です。

首と肩の間はもちろん関節ではなく、筋肉が多くある場所ですが、頚椎から肩甲骨をつなぐ筋肉は、日々負担がかかりやすく、姿勢の変化にも影響を受けやすいので、筋肉が緊張して痛みの原因となりやすい部位です。

ここには頚椎という首の骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉があり、一番大きな僧帽筋があり、さらに深いところの筋肉として肩甲挙筋、菱形筋などがあります。

この部位が痛いときには、やはり「肩こり」「寝違え」というようなものであることが多いですが、時に頚椎のヘルニアであったり、肩関節の問題の二次的な緊張状態を表していたりすることがありますので、注意は必要です。

自己判断せず、ちゃんと検査をしてくれる整形外科で診てもらうと良いでしょう。

年齢と痛みの箇所だけで五十肩と言われてくる患者さんが多いですが、ちゃんと検査したら違うことが多いので信頼できる整形に見てもらいましょう。

 

その上で対策をするとしたら、痛みのない段階で日常的に動かしておくことです。腕を肩より上に挙げたり、腰の後ろに回したり、ゆっくり大きく動かすのがポイントです。

 

痛みは出る前に予防をするのが大原則ですので、日頃から動かして予防しましょう。

 

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