高齢者に熱中症が多いのは何故か?

2021/08/09 ブログ
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関東地方では台風の影響で大雨や落雷など不安定な天候が続いていますが、明日は最高気温40度近くになる猛暑日と予測されています。

8月は1年で最も熱中症が起きやすいとされる月のひとつで、体が暑さに慣れてきた頃に急に気温が下がったり気圧が変化するこの時期、部屋の温度だけでなく湿度も十分に気を付けていきたいところです。

炎天下での部活動など「外での運動時」が多いとイメージされがちな熱中症ですが、最近、特に高齢者で「室内にいるのに熱中症」になってしまうケースが増えています。

室内にいるのであれば、暑ければエアコンで温度を下げれば良いはずなのに、なぜ熱中症になる人が多いのでしょうか?最近行われた調査で、陥りがちな「落とし穴」があることが分かってきました。

今回は高齢者がなぜ室内で熱中症になり易いのかについて書いていきます。

 

目次

落とし穴①:暑さの『感じ方』の個人差が大きい

落とし穴②:「脱水」の影響は蓄積する

熱中症の落とし穴:対策のポイントは?

まとめ

 

落とし穴①:暑さの『感じ方』の個人差が大きい

通常、周囲の気温が高くなると、人間の体はそれを察知して汗をかき、体温を下げようとします。しかし実際に熱中症で搬送されたケースを見てみると、名古屋大学の研究チームがシミュレーションで想定されるより体温が下がらず、熱中症で救急搬送されるケースがあることが分かりました。

そこで研究グループでは、「周囲の気温が上がっていくのに、汗をかかない」場合を仮定してシミュレーションを実施したところ、搬送されたケースをより良く再現できることがわかりました(下図右側の赤点)

 

 

名古屋工業大学7月13日プレスリリース「高齢者はなぜ自宅から熱中症で搬送されるのか?」より
名古屋工業大学7月13日プレスリリース「高齢者はなぜ自宅から熱中症で搬送されるのか?」より

ここから研究グループは、「体感以上に暑さを感じる機能が低下している方が多い」可能性を指摘しています。つまり、気温の上昇を察知して汗をかく働きには個人差が大きく、特に高齢者のなかには、暑さに気づかずエアコンを使うのが遅れたり、温度の上昇に合わせて上手く汗をかくことができず、体温を下げられない危険性があるということです。

対策として、部屋に温度計(室温計)を置いておき、自分では暑いと思っていなくても、ある温度(室温が28℃位)になったらエアコンを使うなどのルールを予め決めておくと役立つかもしれません。(本人には判断が難しくなっているので、ご家族のどなたかが同じ部屋で過ごして温度を決めると良いです。)

 

落とし穴②:「脱水」の影響は蓄積する

もうひとつの落とし穴は、水分摂取に関してです。研究グループが、熱中症で搬送された人の状況から汗の量を推定したところ、最大でも500g程度ということがわかりました(健常な体温調整機能であると仮定した場合)。通常は、強い脱水の症状が出るとはされない程度の発汗量にすぎませんでした。

この結果から、研究グループは「脱水症状は、その当日のみが影響して生じるのではなく、数日間の水分蓄積によって引き起こされることが示唆される」としています。

数日にわたって暑い日が続いたとき、普段よりちょっと多めの汗をかいたにも関わらず、とる水分の量が変らなかったとします。普段より汗として出ていく水分が多くなるので、当然体内の水分量は減ることになります。しかし高齢者はトイレが近い人が多い為、普段より汗をかいてもあまり水分を飲みたがりません。

1日1日の減少量は大きなものでなくても、暑い日が続くうちに、その影響は積み重なっていきます。知らず知らずのうちに脱水が進み、ある日、体温上昇や頭痛・疲労などの症状が現れる可能性があります。1日2ℓを目標に水分を取るように心掛けましょう。

 

熱中症の落とし穴:対策のポイントは?

上記でお知らせした「落とし穴」に関して、どう対策すれば良いでしょうか?

名古屋工業大学の研究チームの指摘をもとに、次の2点をポイントとしてまとめてみました。特にご高齢のご家族やお知り合いがいる方は、お気に留めておいてください。

 

・「暑い」「のどが渇いた」といった自覚がなくても、熱中症になるケースが多々あります。温度計(室温計)などを活用して暑さへの対策をしたり、こまめな水分補給を行ったりするよう心がけてください。のどの渇きではなく、時間になったら飲むようにするのも良いかもしれません。

 

・加齢の影響などで、気温の上昇を感じにくくなることがあります。もし、ご家族やお知り合いの家で「室温が高いのにエアコンをつけていないな」という状況に気が付いたら、注意を呼びかけてください。自身の衰えを認めたくない人が多いので、老化などとは言わず最近熱中症が多いから室温が28℃位になったら冷房をつけてと優しく伝えましょう。

 

まとめ

加齢による肉体の衰えは本人では気がつかないことが多いので、周りに人が注意して見守る様にしましょう。

見ようとしないでも見える位置に室温計、湿度計を置き「28℃もしくは70%以上になったらエアコンをつけてね」とお願いしておくとボケていなければやってくれます。

不幸な事故がこれ以上増えない様に身近な人が気を付けましょう。

 

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