肩こり・頭痛の原因は歯ぎしり?

2021/10/16 ブログ
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突然ですが、みなさんは自分が寝ているときに歯ぎしりをしていると思いますか? この問いに対して、恐らく多くの方が「いいえ」と答えるでしょう。しかし、歯科医院を受診する人の多くに歯ぎしりの所見が見られると言います。また、歯ぎしりを放置していると、歯や体に思いがけない大きな悪影響をきたすことがあるとも教えてくれました。 そこで今回は、実は危険な歯ぎしりの原因や影響・防止対策などについて書いていきます。

 

 目次

 

歯ぎしりって何?実は寝ているときだけのものではない!?

歯ぎしりとは、上下の歯が不必要に接触している状態です。歯科用語でブラキシズムと呼び、大きく分けて2つの種類があります。

1.グライディング:上下の歯を横方向にギリギリと擦り合わせている状態。

2.クレンチング:上下の歯をグッとかみ締めている状態。

 

●起きているときに歯ぎしりしている人も

起きているときに歯ぎしりをしている人も少なからずいます。

最近注目されているのが、TCH(tooth contacting habit)=歯牙接触癖というものです。本来、上下の歯の間には隙間があり、唇を閉じていても歯はふれあいません上下の歯がふれるのは会話や食事など口を動かすときだけ。しかしTCHの方は何もしていないときにも、上下の歯がふれてしまっています。上下の歯に加わる力は睡眠中の歯ぎしりほどではありませんが、長時間にわたって力がかかるため、歯や歯を支える組織にダメージを与えると言われています。

 

歯ぎしりの原因はストレス!?

歯ぎしりの原因は、実ははっきりと分かっていません。

かつては歯並び・かみ合わせの悪さにあると考えられていましたが、最近ではストレスに大きな関連性があるという説が有力視されています。下記のグラフのように、ストレス要因が強くなるのに比例して歯ぎしりがひどくなるという実験データもあります。

参照:Rugh JD ,Solberg WK. Psychological implications in temporomandibular pain and dysfunction.In : Zarb GA, Carlsson GE・eds. Temporomandibular joint function and dysfunction. St, Louis: CV Mosby,1979:239-258

 

なお起きているときの歯ぎしり(TCH)の原因は、癖の要素が強いと考えられます。集中しているときや緊張しているときなどに、無意識に歯にグッと力を込めてしまう……そんな自覚のある方は要注意です。

 

歯ぎしりの自覚がない人は多い!セルフチェックをしよう

歯科医院を受診される方の多くに歯ぎしりの所見が見られますが、自覚している方は少ないと言われています。睡眠中の歯ぎしりは自分では気づきにくいので、それは当たり前のことかもしれません。

そこで以下のチェックシートで、ご自身に歯ぎしりの疑いがないかどうかを確認してみてください。

 

□ 奥歯や前歯がすり減っている

□ 虫歯や歯周病ではないのに知覚過敏がある

□ エラが張っている

□ 歯のかぶせものや仮歯などがよく取れる

□ 頭痛や肩こりがある

□ 舌や頬の内側にかみ跡ができている

□ 歯の位置が移動してきた

□ あごの関節が痛い

□ 口内で下あごや上あごの骨がふくらんだり出っ張ったりしている

 

上記の項目にいずれか当てはまる方は、ご自身でも気づかないうちに歯ぎしりをしている可能性が考えられます。

 

周囲への迷惑だけでなく自分の歯や体にも悪影響が

「キリキリ……」という歯ぎしりの音は、同室で寝ている人の睡眠を妨げることがあります。しかし歯ぎしりが与える悪影響はそれだけはありません。ご自身の歯や体にもさまざまなデメリットが。先ほど述べたチェック項目にも通ずるのですが、歯ぎしりが歯や体にもたらす悪影響の例をご紹介します。

 

●奥歯や前歯がすり減る

本来、歯の先端は細かな山形になっています。しかし、歯ぎしりをするとその部分が削れてスパッと切ったようなフラットな形状になってしまいます。

 

●知覚過敏になる

歯ぎしりで歯に過剰な力がかかると、歯の表面を覆う結晶部分やエナメル質がはがれていきます。それが悪化すると、その下にある象牙質がむき出しに。象牙質への刺激は神経に伝わるため、歯ブラシが当たったり冷たいものや熱いものがふれたりすると知覚過敏が生じるようになります。

 

●エラが張る

歯ぎしりをすると口まわりの筋肉、いわゆるエラあたりの筋肉にある咬筋などに強い負荷がかかります。睡眠中に歯ぎしりをしている人は、例えるなら咬筋の筋トレを一晩中しているような状態にあります。そうすると咬筋や下あごの骨が発達し、エラが張ってくることがあります。

 

●歯のかぶせものや仮歯などが取れやすくなる

歯ぎしりで歯などに強い負荷がかかると、歯科医院で作った仮歯やかぶせものなどが取れやすくなります。また、インプラントをしている方は、圧力で歯肉が下がり金具が外れたり取れたりしやすくなります。

 

●頭痛や肩こりにつながる

歯ぎしりによって咬筋などの筋肉に過剰な負荷がかかっていると、それらの筋肉につながっている首や肩まわり・こめかみなどの筋肉にも炎症が起きやすくなります。その結果、頭痛や肩こりといった症状が出ることがあります。

 

●歯の位置が移動する・歯並びが変化する

歯と歯が強くこすれあったりぶつかりあったりすると歯が揺れ動きやすくなるため、歯並びが悪くなったり、歯の位置が動いたりすることが考えられます。特に50代以上の方は歯周病の併発に伴い、こういった症状が出やすくなります。

 

●歯周病の悪化につながる

歯ぎしりをすると、歯根や歯茎・あごの骨など歯を支えている土台部分にも大きな負荷がかかります。そうなると歯がぐらついて歯と歯茎の隙間が広がり、細菌が入り込みやすい状態に。その結果、歯周病の悪化を招く恐れがあります。

 

●顎関節症(がくかんせつしょう)の原因になる

歯ぎしりをすると下あごが前後・左右に動き、顎関節に負担がかかります。このような状態が続くと、顎関節症の原因となることがあります。

 

●口内で下あごや上あごの骨がふくらんだり出っ張ったりする

歯ぎしりの強い力が歯にかかると、上あごや下あごの骨が隆起することがあります。口の中を指でさわると、下あごの内側や上あごの真ん中あたりにモコモコとしたふくらみが確認できるようになります。

 

歯ぎしりは歯科医院で対策を。専用マウスピースで歯を守ろう

歯科医院の歯ぎしり治療では、マウスピースの装着が第一選択となります。就寝時、上下どちらかの歯にマウスピースを装着すると歯への負担を軽減できます。

一人ひとりの歯型をとってぴったりのマウスピースを作ります。“ぴったりのマウスピース”とは、かんだときに上下の歯が左右同時に当たるようにサポートをするものを指します。きちんと合っていないマウスピースは歯ぎしりによるダメージを悪化させてしまう恐れがあります。そういった意味で、市販のマウスピースはおすすめできません

歯ぎしり用のマウスピースを作る際は、健康保険が適用され、費用は医院によって違いはありますが、健康保険3割負担でだいたい3,000円前後で作ることができます。マウスピースの装着すること自体は歯を削ったりせずに済む、保存的な治療法だと言えます。

歯並びやかみ合わせの悪さが歯ぎしりを誘発していると判断される場合は精密な検査をしたうえで、歯並びやかみ合わせを改善するような治療を並行して行うこともありますが、基本的には保存治療で済むそうです。

 

自分でできる歯ぎしり対策

寝ている間の歯ぎしりによる歯や体への悪影響を防ぐためには、歯科医院で作ったマウスピースの装着が効果的です。また、歯ぎしりとストレスとの関連性の観点から言えば、ストレスを解消しリラックスして過ごすように心がけることも大切です。

一方で、起きているときの歯ぎしりやTHCについては、ご自身でしないように心がけるしかありません。例えば集中するときに歯をグッと食いしばる癖がある方であれば、目に入る場所に歯ぎしりの注意喚起をするようなシールを貼るのも良いでしょう。そのシールが目に入ったときは、歯と歯が当たらないように心がけてください。最初は意識的に思い出すことになりますが、だんだん無意識でも改善できるようになります。

 

まとめ

睡眠中の歯ぎしりは自分でコントロールするのが難しい一方で、想像以上に歯や体に大きな悪影響を与えるもの。指摘されたことがある方やチェックシートに当てはまる項目がある方は、一度歯科医院に相談してみることをおすすめします。

また、最近増えている日中の歯ぎしりやTHCの自覚がある方は、意識的にしないように気をつけてみましょう。

 

 

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